キレイな口元になりたいと思っている人は多いですよね?
口元は、いろいろな肌トラブルが起こりやすい部位です。
また一方で、顔の印象を左右する部位でもあるのです。
口元に肌トラブルが多い原因は、表情をつくるときや物を食べるときに、必ず動かすことにあります。
起きている間は絶え間なく顔の筋肉が動いて肌は酷使されるので、目元とともに、しわやたるみといった老化現象が現れやすい部位なのです。
また、脂肪が溜まりやすい頬を支えている部位なので、ハリや筋肉が衰えると重力に負けて頬の肉が下がり、口元に負担がかかります。
ここでは、口元美人になるために押さえておきたい12のポイントを紹介します。
肌の老化は予防が第一。
早めのケアで、美しい口元を維持しましょう。
目次
Point1. 口元美人と口元ブスの差はどこか?
Point2. 口元の乾燥を防ぐ
Point3. 口元のしわを防ぐ
Point4. 口元のたるみを防ぐ
Point5. 口元のくすみを防ぐ
Point6. 口元のにきびを防ぐ
Point7. 口元が緩む原因と対処法
Point8. 口元が痙攣する原因と対処法
Point9. 口元が出ているゴボ口とは?
Point10. 唇のケア
Point11. 歯のホワイトニングと矯正
Point12. 口元の美容整形
■ 口元美人になる12のポイント
Point1. 口元美人と口元ブスの差はどこか?
口元美人にはいくつかの条件があります。
まずはキレイな肌と唇。
ハリがあってキメが細かい美肌と、プルンとした血色のよい唇は、会う人に健康で明るい印象を与えます。
そして、口角が上がった笑顔。
明るい笑顔には、周囲の人たちを和ませるだけでなく、精神を安定させてストレスを軽減するパワーがあります。
美しい笑顔に欠かせないのが、白く輝く歯とキレイな歯並び。
最近の流行である歯のホワイトニングは、自然な歯の白さを取り戻すケアです。
また、顔には美しく見えるバランスがあり、とくに顔の下半分のバランスは見た目の印象に大きな影響を与えます。
顔のバランスは造形だからとあきらめるものではなく、エクササイズやマッサージによって老け顔も改善することが可能です。
口元ブスとは、こうした美しくなる努力を怠って、あきらめてしまっている人のことです。
お肌や歯はもちろんのこと、口元の緩みやバランスも、日々の努力によって必ず改善するものです。
Point2. 口元の乾燥を防ぐ
口の周囲は、目元と同じく皮膚が薄くて傷つきやすいために、乾燥しやすい部位です。
皮膚は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」という3層の構造になっています。
厚さが0.2ミリほどの表皮は、真皮にもっとも近い部分の「基底層」で細胞分裂を繰り返しており、生まれた表皮細胞は、ゴツゴツした形で重なる「有棘層」から、後から生まれた細胞によって扁平な形になる「顆粒層」へと押し上げられます。
やがて核が抜け落ちて死んだ表皮細胞は、ペラペラに薄い角質となって外気と接する「角層」へと押し出されます。
角層では、15~20層もの角質がレンガのように重なり、そのすき間を細胞間脂質が埋めて、細菌やウィルスなど外からの異物侵入をシャットアウトする、バリアとなっています。
厚さがわずか0.02ミリほどしかない角層には、体内から蒸発する水分をつなぎとめて肌のうるおいを守る大事な役割もあります。
角層で水分を保持している量は、毛穴の中にある皮脂腺から分泌されて肌の表面に広がった皮脂膜が2〜3%、角質の中にあるアミノ酸を主成分とする天然保湿因子(NMF)が17〜18%、細胞間脂質の半分近くを占めるセラミドという保水物質が80%といわれます。
口元の薄い皮膚には皮脂が少ないこともありますが、洗顔料やクレンジング剤などの刺激や、こすることによる刺激によって角層が傷つき、セラミドが流出してしまうことが、乾燥や肌荒れの最大の原因となります。
ですから、口元の乾燥を防ぐもっとも有効な対策は、セラミドを配合した美容液でしっかりと保湿ケアを行うことです。
Point3. 口元のしわを防ぐ
表皮の内側にある真皮は、タンパク質の線維であるコラーゲンが網目状に広がり、そのところどころをやはりタンパク質の線維エラスチンが補強して、すき間をジェル状の保水物質であるヒアルロン酸などが埋めて、肌のハリと弾力を保っています。
これらの物質は真皮にある線維芽細胞が生成するものですが、加齢とともに生成される量が減っていき、40代後半になると、ほとんど生成されなくなってしまいます。
肌のハリを保っているコラーゲンが減少したり、劣化したりして網目構造が壊れると、しわやたるみを引き起こすのです。
とくに口元は、表情の変化によるしわができやすく、「表情じわ」は放置すると深く刻まれた「真皮のしわ」へと悪化してしまいます。
小鼻の脇から口角へと刻まれる「ほうれい線」や、口角からアゴに向けて刻まれる「マリオネットライン」は一度できてしまうと、セルフケアで消すことはできません。
ですから、しわは予防が大事。
コラーゲンは口から摂取しても体内でアミノ酸に分解されてしまいますし、肌に塗っても分子が大きいので浸透することはありません。
しわの予防に必要なのは、コラーゲンではなく、コラーゲンを生成する線維芽細胞の働きを活性化させることです。
対策は、タンパク質やビタミンをしっかり摂る食生活や、エイジングケア化粧品を使用してコラーゲンの減少を防ぐことが中心となります。
Point4. 口元のたるみを防ぐ
たるみの原因は、しわと同じで、真皮のコラーゲンが減少したり劣化したりして、肌がハリと弾力を失うことにあります。
ほうれい線は、頬のたるみによってできるしわであり、マリオネットラインや二重アゴも皮膚のたるみが原因です。
たるみの予防は、しわのケアと同様に、コラーゲンを減らさないことがもっとも大事。
エイジングケア化粧品や、美顔器を活用するケアで、肌の老化を遅らせましょう。
顔の筋肉が緩むことによって、皮下脂肪を支えきれなくなることも、たるみの原因になります。
顔の筋肉が衰えないようにするケアは、後ほど紹介します。
Point5. 口元のくすみを防ぐ
肌のくすみには、古い角質が溜まってしまう角質肥厚によるもの、肌の乾燥によるもの、
肌の血行不良によるもの、慢性的な肌荒れによるものという4つのタイプがあります。
古い角質が溜まっているのは、本来、はがれ落ちるはずの角質が、ターンオーバーが長くなることによって、残ってしまうからです。
基底層で表皮細胞が生まれてから、角質となってはがれ落ちるまでの代謝のサイクルをターンオーバーと呼び、20代の健康な肌では30日程度ですが、加齢とともに代謝が落ちて、40代50代では倍の日数がかかることもあります。
角質肥厚を改善するためには、ピーリングなどで古い角質を除去し、ターンオーバーを整える生活習慣が必要です。
肌が乾燥して角質がささくれ立ってくすんで見えるタイプには、正しい保湿ケアが必要。
血行不良によるくすみは、マッサージやツボ刺激で改善します。
慢性的な肌荒れは、間違ったスキンケアで角層を傷つけてしまうことが発端となり、脳が肌を修復しようとしてターンオーバーを急がせることが原因です。
ターンオーバーが短くなると、未熟な表皮細胞が角層まで出てきてしまい、バリア機能がさらに弱くなるので、また肌が荒れるという悪循環に陥りやすくなります。
このタイプでは、とにかく肌に刺激を与えないやさしいスキンケアを続けて、角層のバリアを修復することが大切です。
Point6. 口元のにきびを防ぐ
思春期のにきびは、過剰な皮脂分泌が原因ですが、20代30代になってできるにきびは、角質肥厚とホルモンバランスの乱れが主な原因だといわれています。
大人にきびは、口元にできやすいのが特徴です。
角質肥厚によって毛穴の出口がふさがれてしまい、中に皮脂が溜まってそれを栄養とするアクネ菌が繁殖してしまうのです。
大人にきびのケアは、油分を与えないスキンケア、角質肥厚を改善するピーリング、ビタミンC誘導体が配合された化粧水による皮脂分泌の抑制が、3本柱となります。
また、ホルモンバランスを乱しやすい女性は、生活習慣を整えて身体の中から健康を維持することも重要です。
Point7. 口元が緩む原因と対処法
顔には20種以上の筋肉があって、連動しながら様々な表情をつくりだしています。
これらの筋肉の総称が表情筋で、口の周囲には口輪筋という筋肉があります。
この口輪筋の動きが鈍くなると、口元の緩みが発生するのです。
明るい笑顔をつくるキュっと上がった口角は、口輪筋がしっかり機能しないとつくることができなくなってしまいます。
筋肉は、使わないとどんどん衰えていきますから、エクササイズやマッサージで健全な状態を保つことが大事です。
こわばった表情ばかりしていると、その状態で表情筋が収縮してしまい、老廃物や二酸化炭素が排出されなくなってしまいますから、筋肉は休ませることよりも適度に動かすことが大切なのです。
また、片方の歯ばかりで噛んでいると、片方の表情筋だけが発達してしまい、顔が歪む原因になります。
両方の歯でバランスよく噛む習慣をつけましょう。
Point8. 口元が痙攣する原因と対処法
顔の痙攣は、目の周囲からはじまって口元へと広がるケースが多いといわれます。
最初は緊張したときに、まぶたが疲れてぴくぴくするのと同じような症状が出ますが、顔面痙攣の場合は進行すると1日中症状が出るようになり、頬や額、口からアゴの下の筋肉へと痙攣が広がります。
顔面痙攣の主な原因は、頭蓋骨内で血管が顔面神経を圧迫することです。
中には、腫瘍が顔面神経を圧迫しているケースもあります。
ですから、無意識に口元が痙攣する症状が出た場合は、脳神経外科や神経内科を受診する必要があります。
放置して症状を悪化させてしまうこともあるので、早めの受診が安心です。
治療の方法は、外科手術によって神経を圧迫している血管を神経から剥がして移動させるものや、痙攣を緩和させる投薬治療があります。
Point9. 口元が出ているゴボ口とは?
最近、「ゴボ口」と呼ばれているのは、口元が前に出ている状態のことです。
ゴボ口は、上アゴの骨が前に出ている骨格に原因がある場合や、上下の歯が前に出ていることによるもの、口呼吸がクセになったことによるもの以外に、アデノイドによるものがあります。
アデノイドとは、鼻からノドにかけてのリンパ組織である扁桃腺が肥大することで、鼻の穴が狭くなって鼻呼吸ができなくなり、口を開けて呼吸をする状態を「アデノイド顔貌」と呼びます。
アデノイド顔貌の人は、口呼吸になるので口が常に開いている状態になり、口輪筋が衰えて下アゴが小さくなってしまいます。
また、噛み合わせが悪くなるので、歯並びにも影響を及ぼします。
アデノイドは、意識して口呼吸を鼻呼吸に変えるようにすることや、咽頭扁桃の切除手術によって改善します。
骨格を変えるためには整形手術が必要になりますが、前に出ている歯が原因の場合は、矯正で治すことが可能です。
Point10. 唇のケア
唇は、角層がとても薄くて、皮がむけるなどのトラブルを起こしやすい部位です。
唇の乾燥には、リップクリームをこまめに塗るケアが基本です。
口紅の下地にもリップクリームを塗っておきましょう。
寝る前には、薬局で売っている白色ワセリンをたっぷり塗るようにします。
乾燥がひどいときは、白色ワセリンとハチミツを1:1で混ぜたものを塗って、唇パックにします。
唇の縁に沿って小さな水疱ができてかゆくなっているのは、体調が崩れているサインです。食事や睡眠を改善しても治らないようであれば、皮膚科を受診してください。
唇のケアは、こすったりなめたりしないことが大事。
皮がめくれたときはムリにとろうとせずに、ワセリンを塗ってやわらかくしてから、やさしくとりましょう。
唇には紫外線対策も大切です。
メイクをするときは、唇にも少しファンデーションを塗ってから口紅を塗るか、日焼け止めが配合されたリップクリームを使いましょう。
唇がよく荒れるという人は、肌に刺激が強い、日焼け止め配合のリップクリームやグロスの使用は控えたほうがいいでしょう。
Point11. 歯のホワイトニングと矯正
毎日の歯磨きでは、なかなか歯が白くならないという人に人気なのが、歯科で行うホワイトニングです。
歯の色は加齢や食生活によって内部から黄ばみが進行するので、歯磨きやクリーニングでは取れませんが、ホワイトニングは薬剤で黄ばみを分解して除去します。
現在行われているホワイトニングには、「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」があります。
オフィスホワイトニングは、歯科に1回~数回通院して行うもので、歯の表面に薬剤を塗って歯を白くします。
薬剤にはいろいろな種類があり、光を当てて薬剤を活性化させるものもあります。
ホームホワイトニングは、歯科で歯型をとってマウスピースを作成し、専用の薬剤を入れて自宅にいながら歯を白くできるものです。
歯並びや、突出した歯を治療する矯正には、ブラケットを歯につけてワイヤーを通す「ブラケット矯正」や、矯正する期間だけ骨にチタンを埋め込む「インプラント矯正」、セラミックを歯に被せる「セラミック矯正」、軽度の場合には「マウスピース矯正」などがあります。
Point12. 口元の美容整形
口元のしわやたるみを改善する美容医療には、やわらかいゼリー状の物質を皮膚の中に注射する「ヒアルロン酸注射」、表情筋の緊張をやわらげて表情じわを目立たなくする「ボツリヌス療法」、レーザーで皮膚を活性化させてコラーゲンを増やす「レーザー治療」などがあります。
また、唇の施術には、唇を薄くする「口唇縮小術」や、唇を厚くするヒアルロン酸注射、唇をふっくらさせる脂肪注入などがあります。
顔の黄金比などといわれるバランスでは、「髪の生え際から眉頭の下」「眉頭の下から鼻の下」「鼻の下からアゴ先」の長さがすべて1:1とされていますが、日本人の顔は鼻から口までが長めという特徴があります。
そのために、口元美人になるためには、鼻の下を短く見せることがポイントになるのです。
鼻の下を短くする手術が、鼻と唇の境目の皮膚を切除する「上口唇短縮術」です。
そのほか、頬の脂肪吸引なども、口元をキレイに見せるために行われます。
まとめ
口元美人になるためには、何をすればよいか、おわかりいただけましたでしょうか。
スキンケアもオーラルケアも、また表情筋のケアも、日々の積み重ねが後になってものをいいます。
しわ、たるみ、緩みといった老化現象は、生きていれば誰にでも訪れるものですから、自分の年齢を受け入れて、あまり神経質にならないことも大事です。
しかし、口元美人を目指す毎日の努力は、5年後10年後に、必ず大きな差となって現れます。
老け顔に見えてしまう要因である顔の下半分のケアを怠らず、白い歯がのぞく笑顔を維持できれば、マイナス5歳の美しさを手に入れることができるはずです。
【参考資料】
・『いちばん正しいスキンケアの教科書』 吉木伸子 西東社 2014年
・『スキンケア大事典』 友利新 毎日コミュニケーションズ 2010年
・『正しいスキンケア事典』 吉木伸子 岡部美代治 小田真規子 高橋書店 2010年
・脳神経外科医 福島孝徳 公式サイト
・高須クリニック web site