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2018.04.13



10分でペプチドがわかる!-化粧品に利用される機能性ペプチド

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健康や美容関連で目にする「ペプチド」って、ちょっと気になる存在ですよね?

何かとても効果が高そうな成分というイメージはあっても、どういった性質をもっているもので、どのような効能があるのか、理解している人は少ないでしょう。

三大栄養素の1つであり、生体の維持に欠かせないタンパク質は、アミノ酸からできており、タンパク質が体内に入ると、分解されてアミノ酸に戻ります。

肌のためによかれとコラーゲンを食べても、肌のコラーゲンが増えないのは、タンパク質のコラーゲンが腸内でアミノ酸に分解されてしまうからです。

実はペプチドも、アミノ酸からできています。
ですから、ペプチドを知るためには、アミノ酸とは何かを知らなければいけません。

ここでは、アミノ酸やタンパク質とペプチドの関連性や、いろいろな用途に利用されている「機能性ペプチド」の概要を解説し、その中でも化粧品に利用されているものをピックアップして、どのようなものがあるのか紹介します。

目次

1. ペプチドはアミノ酸の結合体
1-1. アミノ酸<ペプチド<タンパク質
1-2. ペプチドを構成する20種のアミノ酸
1-3. 内因性ペプチドと外因性ペプチド
1-4. 主な機能性ペプチド

2. 化粧品に利用されているペプチド
2-1. 肌の機能向上に対応したペプチド
2-1-1. 抗酸化
2-1-2. 抗炎症
2-1-3. 若返りホルモンの機能向上
2-2. シワやタルミに対応したペプチド
2-2-1. 真皮の修復
2-2-2. 基底膜の修復
2-2-3. 表皮細胞の代謝・成熟
2-2-4. 表情筋の収縮抑制
2-3. シミやクスミに対応したペプチド
2-3-1. メラニンの生成抑制
2-3-2. ターンオーバーの促進
2-3-3. 茶グマの改善

まとめ

1. ペプチドはアミノ酸の結合体

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「ペプチド」とは、アミノ酸が2個から数10個程度(中には100個を超えるものもあります)つながった物質のことです。

人間の体は約60%が水分で、約20%を占めるのがタンパク質、残りの20%は糖質、脂質、無機質で成り立っています。

タンパク質は「体の材料」といわれます。
人間の筋肉、血液、頭髪や爪はもちろん、内臓やホルモンなどもタンパク質からできているのです。

このタンパク質の素になっているのがアミノ酸。
ペプチドもタンパク質も、アミノ酸が結合することによってできています。

1-1. アミノ酸<ペプチド<タンパク質

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アミノ酸が2つ結合したものは「ジペプチド」、3つ結合したものは「トリペプチド」、10個程度まで結合したものが「オリゴペプチド」、それ以上のものは「ポリペプチド」と呼ばれます。

オリゴペプチドやポリペプチドを構成するアミノ酸の数には、明確な定義はありません。
アミノ酸が100個以上結合したポリペプチドで、特有の構造や機能をもったものが「タンパク質」と呼ばれ、中には50個程度でもタンパク質と呼ばれるものもあります。

タンパク質を摂取すると、結合の逆の工程である分解が体内で行われます。
胃でタンパク質分解酵素であるペプシンによって、ペプチドまで分解され、さらに小腸でアミノ酸にまで分解されて体内に吸収され、全身の組織へと運ばれて様々な役割を担います。

そして、全身の各組織ではアミノ酸が再び結合して、必要とされる種類のペプチドやタンパク質がつくられるのです。
ペプチドはタンパク質のパーツとなることもあります。

アミノ酸はそのままの状態でも働き、タンパク質の形態で働くものもあれば、ペプチドの形態で働くものもあるということなのです。

1-2. ペプチドを構成する20種のアミノ酸

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細胞の中で、アミノ酸がいろいろな性質のペプチドやタンパク質に合成されるのは、細胞の中の遺伝子である「DNA(デオキシリボ核酸)が設計図をもっていて、「RNA(リボ核酸)」がその設計図をもとにつくり出すからです。

自然界には数百種類のアミノ酸が存在するといわれていますが、人間だけでなく地球上のすべての生物がもつペプチドやタンパク質は、わずか20種のアミノから合成されています。

この20種のアミノ酸は、体内で合成できる「非必須アミノ酸」11種と、体内で合成できない「必須アミノ酸」9種に分けられます。

・非必須アミノ酸

グルタミン、アルギニン、アラニン、システイン、グリシン、セリン、グルタミン酸、プロリン、アスパラギン、アスパラギン酸、チロシン

・必須アミノ酸

バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、トリプトファン、ヒスチジン、メチオニン、スレオニン、フェニルアラニン

20種のアミノ酸は一部の構造や性質がそれぞれに異なり、ペプチドやタンパク質は、アミノ酸の種類だけでなく、つながる順番や位置によっても性質が変わってきます。

これら20種のアミノ酸には、鏡で見たように結合が反対になったタイプもあり、それぞれ「L型」「D型」と呼ばれます。
生物のペプチドやタンパク質の材料になるアミノ酸はすべて「L型」なので、「L-〇〇〇」と表記される場合もあります。
しかし近年、体内にはD型アミノ酸も存在することがわかり、研究が進められています。

1-3. 内因性ペプチドと外因性ペプチド

ペプチドには、体内で合成される内因性のものと、食品、化粧品、医薬品などで体内に入ってくる外因性のものがあります。

代表的な内因性ペプチドには、次のようなものがあります。
体内で重要な役割を担っているホルモンの多くもペプチドです。

・ジペプチドの抗酸化物質であるカルノシン
・トリペプチドの抗酸化物質であるグルタチオン
・アミノ酸5個から成り、鎮痛作用をもつ脳内物質であるエンケファリン
・アミノ酸9個から成り、子宮で陣痛促進に働くオキシトシン
・アミノ酸29個から成り、すい臓でつくられて肝臓でブドウ糖の生成をうながすグルカゴン

このように生理的な機能を発揮するペプチドを「生理活性ペプチド」と呼びますが、外因性ペプチドでは、生理活性ペプチドだけでなく嗜好性を向上する目的のものなども含めて、「機能性ペプチド」と呼ばれます。

1-4. 主な機能性ペプチド

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外因性の機能性ペプチドは、食品に利用されているもの、化粧品に利用されているもの、医薬品に利用されているもの、ペットフードに利用されているものなど、それぞれのペプチドがもつ機能を様々なかたちで利用されています。

主な機能性ペプチドは、以下のように分類されています。

① 血圧降下ペプチド

植物性や動物性など、いろいろなタンパク質を起源とする血圧調整作用のあるペプチドが発見されおり、医薬品や特定保健食品(トクホ)に利用されています。

② 抗酸化ペプチド

大豆タンパク質、牛乳ホエータンパク質、魚皮ゼラチンなどが分解されることによって、活性酸素を除去する抗酸化ペプチドがつくられ、食品や化粧品に利用されています。

③ コレステロール代謝改善ペプチド

コレステロールの代謝を改善するタンパク質の研究は100年以上も前から行われ、牛乳はペプチドにもその作用が認められたことから、そのほか大豆由来、卵白由来、豚肉・牛肉由来のペプチドにも、コレステロールの代謝を改善する作用があることがわかりました。

④ ミネラル結合ペプチド

日本人に不足しがちなミネラルであるカルシウムと鉄を補給する機能性ペプチドが、サプリメントや乳製品に利用されています。

⑤ 抗菌性ペプチド

抗生物質が効かなくなる耐性菌が増加する中で、食品タンパク質の酵素分解から生成した抗菌ペプチドが注目されています。

⑥ 免疫調節ペプチド

食生活やストレスなどの影響で低下してしまう免疫機能を高める目的で、乳タンパク質や鶏卵タンパク質由来の免疫調節ペプチドが、食品や医薬品に利用されています。

⑦ 神経調節ペプチド

神経系に作用して鎮静作用を示すオピオイドペプチド以外にも、食品タンパク質の酵素分解によってできる、抗不安作用や摂食抑制作用などをもつ神経調節ペプチドが、機能性食品や医薬品に利用されています。

⑧ 甘味・苦味ペプチド

砂糖の約200倍甘い人工甘味料アステルパームをはじめとして、苦味を利用するもの、塩味、酸味、旨味を利用するものなど、嗜好性を高める目的のペプチドも多種あります。

⑨ アレルギー低減ペプチド

食物アレルギーを起こすアレルゲンの多くは食物中に含まれるタンパク質であることから、タンパク質を分解してアレルギーの原因となるアミノ酸配列を分断し、ペプチドの状態にする技術が、乳児用のミルクなどに利用されています。

2. 化粧品に利用されているペプチド

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ここからは、化粧品の分野におけるペプチドの利用状況を解説しましょう。
ターゲットを分けて、多くのペプチドが利用されています。

化粧品に配合されている機能性ペプチドは、一般的に「〇〇ペプチド」と成分表に表示されていますが、実質的にペプチドを有効成分としていても、化学合成ではない植物由来や動物由来のタンパク質分解物は、「〇〇エキス」と表示されているものも多くなっています。

基本的な事柄として、人間の肌は外部から肌を保護し、体内から蒸発する水分をつなぎとめて保湿している「表皮」、タンパク質の繊維であるコラーゲンやエラスチン、ジェル状のヒアルロン酸が肌のハリや弾力を保っている「真皮」、ほとんどが皮下脂肪で、クッションや体温維持の役割を担っている「皮下組織」の3層からできていることを理解しておきましょう。

2-1. 肌の機能向上に対応したペプチド

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人間の肌には、肌を再生する「ターンオーバー」と呼ばれる機能や、外部の細菌やウィルスから身を守る保護機能などがあります。

こうした機能は、加齢やスキンケアによる刺激などで低下してしまうため、肌のもつポテンシャルを高めることを目的としたペプチドが利用されています。

2-1-1. 抗酸化

抗酸化作用を高めて、紫外線などで受けた肌のダメージを回復する化粧品には、人間の筋肉にもともと存在する「ジペプチド-2」、シイタケやマイタケ、エリンギに多く含まれている天然抗酸化物質の「エルゴチオネイン」、肌がもつ抗酸化力を高める「ジペプチド-4」、亜鉛による抗酸化作用を高める「グリシン亜鉛」などが利用されています。

2-1-2. 抗炎症

肌荒れなどで炎症を起こした肌の緩和には、メラニンを集めて紫外線から肌を守る「アセチルヘキサペプチド-1」、逆にメラニンを増やさないようにして肌の変化を抑える「パルミトイルトリペプチド-8」、コラーゲンやエラスチンの破壊を阻害する「トリフルオロアセチルトリペプチド-2」などが利用されています。

2-1-3. 若返りホルモンの機能向上

体内で炎症を抑えたり、免疫力を高めたりするホルモンの「DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)」は20歳をピークにして加齢ともに激減します。
スーパーホルモンや若返りホルモンと呼ばれるDHEAと同じような効果を発揮するのが「パルミトイルテトラペプチド-7」です。

2-2. シワやタルミに対応したペプチド

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シワやタルミの原因は、加齢によって真皮のコラーゲンが減少したり劣化したりすることと、顔の表情筋が衰えて脂肪を支えきれなくなることです。

2-2-1. 真皮の修復

真皮のケアには、コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞を活性化してコラーゲンの修復を促す「パルミトイルペンタペプチド-4」、線維芽細胞とコラーゲンの結合を促す「ヘキサペプチド-3」などのほか、コラーゲンの質を高める「アセチルテトラペプチド-9」や「トリペプチド-10シトルリン」なども利用されています。

2-2-2. 基底膜の修復

真皮と表皮の間にある基底膜は、表皮で新しい細胞を生み出す基底層の働きに大きく影響する部位で、加齢とともに劣化していきます。

基底膜の修復を目的として利用されている機能性ペプチドは、「オリゴペプチド-6」「ヘキサペプチド-10」などがあります。
とくに、「ヘキサペプチド-9」「アセチルテトラペプチド-11」などは、基底膜周辺のタンパク質を強化する目的で利用されています。

2-2-3. 表皮細胞の代謝・成熟

表皮のターンオーバーを活性化するペプチドとして、表皮のもっとも外側である角層で、角質の結合を緩めてターンオーバーを2日早める「酢酸ヘキサノイルジペプチド-3ノルロイシン」があります。

2-2-4. 表情筋の収縮抑制

世界でもっとも利用されているといわれる「アセチルヘキサペプチド-8」には、表情筋の収縮を抑制する働きがあります。
また、神経細胞が活性するのを抑えて、リラックス効果をもたらすのが「ペンタペプチド-3」です。

2-3. シミやクスミに対応したペプチド

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シミとクスミには種類がありますが、主な原因は紫外線や刺激物による肌のダメージや、加齢によるホルモンバランスの変化、遺伝的な要因でメラニンが過剰に生成されて色素沈着を起こすことです。

人間は紫外線を浴びると、表皮細胞から情報伝達物質が基底層のメラノサイトという細胞に送られ、メラニンという色素を生成して体を守ろうとします。

メラニンは役目を終えると角質と一緒に肌からはがれ落ちるのですが、加齢でターンオーバーが長くなったり、メラノサイトが暴走したりすると、古い角質とともに溜まってしまい、色素沈着を起こすのです。

2-3-1. メラニンの生成抑制

メラノサイトへの情報伝達物質を阻害して命令が伝わらないようにし、メラニンの生成を抑えるのが、「ヘキサペプチド-2」と「ノナペプチド-1」です。

2-3-2. ターンオーバーの促進

表皮のターンオーバーを活性化する「トリペプチド-3」や「酢酸ヘキサノイルジペプチド-3ノルロイシン」は、クスミの改善に効果が期待できます。

クスミの原因は、ターンオーバーが長くなりすぎて、はがれ落ちるはずの角質が溜まって角質が厚くなる「角質肥厚」です。
角質肥厚は、毛穴をふさいでしまうので、ニキビの原因にもなります。

2-3-3. 茶グマの改善

目元にできるクマには、血行不良が原因で血液が透けて見える「青グマ」、目元のタルミが影になった「黒グマ」、メラニンの色素沈着が原因の「茶グマ」の3タイプがあります。

「アセチルテトラペプチド-5」は、目の周辺の炎症に作用するので、茶グマの改善に期待ができます。

まとめ

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ここでは、ペプチドの基本と、顔に使用する化粧品で利用されている機能性ペプチドを紹介しましたが、ボディケアや育毛といったアイテムにも、ペプチドは利用されています。

ボディケアで利用されている代表的な機能性ペプチドには、細胞への脂肪の蓄積を阻害する「デカペプチド-2」があり、育毛ペプチドとしては、「オクタペプチド-2」があります。

近年、とくに注目されているのが、医療分野のペプチドワクチンなどで、ペプチドの機能を利用した、体にやさしいがん治療の研究なども進められています。

 

【参考資料】
・『機能性ペプチドの最新応用技術』 シーエムシー出版 有原圭三(監修) 2015年
・『古くて、最も新しい アミノ酸パワー』 自由国民社 杤久保修(監修) 2015年
東邦大学 web site
富山大学 web site

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