ジョアンナ・リリス
美術デザイナーを志して勉強を始めたが、妖精や魔女物語などのファンタジックな世界に興味をもち、神秘世界の探求を試みたいと考え、ルネ・ヴァン・ダール研究所の門を叩く。
西洋占星術を始め、占術・タロット鑑定技法師範科を修了。師匠・ルネ・ヴァン・ダール・ワタナベより「ジョアンナ・リリス」の占名を受ける。
コケティッシュなルックスと装い、キュートな雰囲気ながらズバリと核心を突いた歯切れのよいアドバイスが、鑑定を受ける人の人気を呼んでいる。
流行にも敏感で、街の「新しいもの」ネタにも強い。
日本時空心理学協会、一般社団法人日本占術協会所属。一般社団法人日本占術協会新人賞、奨励賞受賞。
主な占術方法:西洋占星術、タロット
目次
~Vol.20 魔法の世界を継承し、癒しの魔術系占い師へーその②~
相手と同じ目線に立つ
師匠以外からも占い師としての姿勢を学ぶ
英国紳士的でありながら下町の粋な旦那でもある
ルネ先生を父親のように慕って
イベント占いで遭遇する困ったお客さんたち
相手と同じ目線に立つ
來夢 占いに際して、気をつけていることはありますか?
リリス 「私はこういうことを経験したから、あなたにこう言ってあげてるのよ」「カードがこう出てるから、あなたはこうしなさい」という上から目線の方も多いと思うのですが、そういうことは絶対しないようにしています。小学生向けの雑誌「プチバースデイ」の占い原稿を書いていたときも、私は相手と同じ目線にいたいと思いました。相手が小学生なら、小学生の気持ちになりきって言葉を選びたい。いつも、同じ世界を共有しながら答えを見つけてあげるようにしています。
來夢 わかる。私も、研究所で「なかよし」の占いを手伝っていたとき、わんころべえの12星座分のおまじないを毎月考えないといけなかったの。私は全くおまじないに興味がなかったのですが、わんころべえなら「なかよし」の読者にどうアドバイスするんだろうと、わんころべえの気持ちになって毎月必死でおまじないを考えてた。
リリス だから伝わったんだと思いますよ。
來夢 当時私は、今村宇太子先生のスポーツ紙のギャンブル占いを毎週手伝うようになって、大変だったの。月に1回わんころべえの気持ちになりながら、毎週ギャンブルの占いをやらなきゃいけなくて。
リリス それは大変ですね。
來夢 ジョリちゃんも占いをなりわいとして20年以上たったわけですが、当初より進化しているところはありますか?
リリス 何かあるかな。成長してなきゃだめですよね(笑)。
來夢 いや、変わらないこともありだと思うから。自分の歩みに対してどうなのかなと思って。
リリス 基本的にはそんなに変わってはいないんですけど、ルネ先生のところでカウンセリングをある程度勉強したので、相手に合わせるのはちょっとずつできるようになったかなとは思います。私は直観的に占うので、出たカードに対して分析しないんです。パッとめくって、ひらめきで答えていくから、うっかり「あ、これは何かよくないことがありますね」とポロッと言ったりするんです。ストレートに言いすぎるとこの人はすごいダメージを受けるかも、というのがわからないと、相手のリアクションを見ても、まずいこともどんどん言っちゃうじゃないですか。そういうのをなるべく言わないように、ちょっとずつ身についてきたかなと思います。
來夢 上から目線にならないように、押しつけはしないけれども、必要だと思うものはそのまま伝えてきたということですね。それは経験値とともに?
リリス そうですね。
師匠以外からも占い師としての姿勢を学ぶ
來夢 ジョリちゃんの師匠と呼べる人は、あとにも先にもルネ先生だけってことだよね。
リリス そうですね。他にもちょっと習ったりしたことはありますけど、軸になっているのはルネ先生の教えです。
來夢 他の先生に習いに行くのも大事じゃないですか。研究所で習えるのは西洋占星術だけですが、私は東洋の占いもすごく大事だと思っています。それに私はアナログな人間なので、いち早くコンピュータとかを取り入れて朝日カルチャーセンターで教えていらした松村潔先生の講座は興味深かったですね。鏡リュウジさんの講座は最新の情報が得られましたし。もともと占いに興味がなくてご縁を持ったので、ルネ先生のところで学び始めてから、占い師ってどんな人なんだろうと、占い館に行ったこともあります。
リリス 人に占ってもらうのはいい経験になりますよね。私も占いの店にはいろいろ行きましたよ。すごく当たると有名なお店に行ったときは、「この恋愛はもう終わる。何をしてもだめ」と言われたんです。結局だめになったんですけど、すごく頭にきて、「こんな傷つけることを言うような占い師はだめだ。私はそんなことを言わない、本当に救ってあげられる占い師になってやる」と思いました。その頃にルネ先生と知り合ったので、占ってもらったことが研究所に入るきっかけのひとつにもなったと思います。
來夢 反面教師になってくれたんだね。当たるか当たらないかと言えば当たったのかもしれないけれど、その言われようにジョリちゃんは傷ついたってことだ。まあ、勘違いしている占いの先生はたくさんいるからね。鑑定を自分の不満のはけ口みたいに考えてる人がいると聞いたことがあるよ。
リリス 占いって、悪いことを言うと当たるんですよね。
來夢 そうなのよ、不幸予測は当たるって私もよく言ってる。絶対引きずられちゃうんだって。
リリス 悪いことを言われると心に残って、何かあるたびに、「これはあの占いで言われたせいかも」「やっぱりだめになる運命なのかも」という考えがすぐよぎっちゃうんですよね。それで現実も悪いほうへ動いてしまう。だから、「別れるわよ」というようなことはなるべく言わないようにしてます。
來夢 あのときすごく腹が立ってよかったね。そんな占い師にならないと決意したことは重要だよ。伝え方というものがあるからね
リリス そうですね。傷つけてまで当たればいいわけではないですから。占いに来る人は、基本的に傷ついている人が多いと思うんです。そういう人にズケズケ言って、さらに不幸にさせてどうするんだって。
來夢 傷口に塩を塗るみたいなね。私は、悪いことを言われたことは一回もないんだけど、占い師の姿勢としてどうなんだろうと思うのはいくつもあった。私の前の人の占い結果が重かったんだと思うけど、占い師がタロットカードをお香でいぶしながら「あー、やだやだ」って。たまたまそういう瞬間を目にする機会があってさ。
リリス それは感じ悪いですね。私は、「新宿の母」に2回も断られたんですよ。
來夢 「新宿の母」は伊勢丹の前で手相を占っていた人よね。私は行ったことないんだけど、すごい行列だったのは覚えてる。そこに並んで断られたの?
リリス そう、まず最初は20歳のときに行きました。並んで、やっと番がきたと思っていたら、「あなたの手相はどんどん変わるから見ないほうがいい。じゃあ次の人」と言われたんです。次は25歳のときに行ったんですよ。そしたらまた、並んだ揚げ句に「あなたは観ないほうがいいわ。帰って」と言われて(笑)。それからは行きませんでした。
來夢 きっと鑑定の必要がないと思ったんでしょう。さっきの話とつながるじゃない? 今を乗り越えると次があるかもしれないのに、今わかることだけ伝えてもそれに引っ張られるだけ。行列に並んだのは「ごくろうさん」だったけど、いずれ彼氏もどんどん変わるだろうし、いい意味で、占いの結果を言っても関係ないと判断したんじゃないかな。
リリス なるほどね。何かあっても乗り切っていくから、それで占わなったんですかね。
來夢 新宿の母は、私が中学生のときから話題になっていました。ずっとお客さんが並んでいたよね。あんな炎天下に並ばないで済むなら私も観てもらってもいいなとは思ったけど。
リリス あと、大泉の母のところにも行きました。
來夢 始発で行って順番を取るんでしょ? すごくお客さんが怒られることで有名だったけど、何の相談したらそんなに怒られるのかしら。
リリス 占術は手相なんです。「これからどうなりますか」と手相を見せたら「不幸の連続だわ」と。病気やら、お金の苦労やら、いろんな問題が次々ときて、50歳を過ぎたらちょっとは楽になるからごくろうさまねとか言われて。
來夢 新宿の母と両極じゃない? テレビに出るから偉いわけじゃないけど、一世を風靡した占い師には会っておいてよかったんじゃないかな。だって勉強になるじゃない。
リリス まあ、そうですよね。こういう人もいるんだって感じですよね。でも、母を連れてったら、母のことはすごいほめてましたよ。
來夢 相手を見てるのかね。お母さんのことは何てほめてたの?
リリス 長生きするし、今まですごく苦労してきたのだからこれからはもうちょっと幸せになれるわよ、みたいなことを言ってました。
來夢 そっか。で、あなたには「大変ね」って言い放ったわけね。
リリス そう。びしばし鍛えられたい人が観てもらいに行ってたんですかね。
來夢 ほめられたい人、叱られたい人、いろいろいるからね。でも、その先につながることを言ってもらえないんだったら、お金を払ってまで観てもらうのは嫌だよね。
リリス そうなんですよね。フォローもなく、ただ「こうなるわよ」と言われても、どうしていいかわからないじゃないですか。
來夢 新宿の母もそうだけど、若い子が一生懸命行列に並んで待ってたんだから、もう一言言ってくれてもよかったのにね。まあ、時間もなかったのかもしれないけど。でも、そういう経験は大事だね。
リリス そうかもしれないですね。
英国紳士的でありながら下町の粋な旦那でもある
來夢 ルネ先生の「ここが好きだった」というのはありますか。
リリス ルネ先生はいつも英国紳士のようでしたね。私は貴族的な人に弱いので(笑)。ルネ先生は王子様みたいな気品があって、好きだなといつも思っていました。それに、とても偉い先生なのに、全然気取らないじゃないですか。私が遊びに行くといつも「おお、ジョリ。よく来たな」と言ってくれて、優しかったです。地位が上がると威張る人もいますが、ルネ先生はそうではなく、素敵な方だなといつも思っていました。
來夢 そうね。ルネ先生は、英国紳士の部分と、富岡八幡宮のおみこしを担いでいる下町の若旦那の部分と、両方を併せ持ってる方だったから、そこが粋で気さくで、でも、ジェントルマンで。
リリス そうなんですよね。あんな方はなかなかいないですよね。
來夢 やっぱり今の話を聞いてても、きっと師匠はジョリちゃんをかわいいと思っていたんだよ。だって私は「よく来たな」なんて言われたことがないもの(笑)。「母」と呼ばれていたくらいだから。同じ人とは思えないくらい違うよね。
リリス そうなんですか。
來夢 ルネ先生の魔術的な部分が屈託なく好きなジョリちゃんが、ルネ先生はシンプルにかわいいと思ったんじゃないかな。ルネ先生の性分を考えると、重たい感じは苦手そうだもん。
リリス 確かにそうですね。蠍座は苦手というジョークを言っていました。
來夢 そうでしょ。双子座が徹底的に強いの。太陽が牡羊座だけど、徹底的に双子座だから。
リリス 変な男につかまってひどい目に遭ったら、俺がやっつけてやるからいつでも言え、とも言ってくれてました(笑)。
來夢 そこは牡羊座だね。いいね、また違うルネ先生の話が聞けて。
リリス だから、ルネ先生が怖いというイメージが全然私にはないですね。
來夢 まあ、怖いと思った人はこの道にいないんじゃないかな。きっとルネ先生のことだから、人の相談に乗ると他人の苦労まで背負ってしまう子には厳しかったのかもしれない。ルネ先生によく叱られていた子のなかで、算命学で見るととてもエネルギーが強い子がいたんです。だから、書いたりしゃべったりするよりも、肉体をがんがん使って、うんとお金を稼いで、それでみんなに振る舞うようにしてエネルギーを回さないときつかったんだよね。ルネ先生は算命学のエネルギーを見てはいなかったけど、そういう理由もあったんじゃないかな。
ジョリちゃんのように、涼しい顔をして、好きなことで働いたり働かなかったりしながら、それでエネルギーが回せる子もいる。一方で、徹底的に肉体を使ってしっかり稼いで振る舞って、それでエネルギーが回るような人もいる。「どうしてあの子はあんなに叱られたんだろう」と思ったとき、ルネ先生は何か感じ取って、占い師以外の未来を目指せと言うつもりだったのかな。エネルギーをたくさん回して使わないといけない子と、あんまり使わなくていい子がいて、それはいい悪いじゃない。
リリス そうかもしれないですよね。私も算命学は少しやりましたよ。
來夢 エネルギーを見るのにとてもわかりやすいよね。
ルネ先生を父親のように慕って
來夢 ルネ先生から教えてもらったことで、ここだけは忘れられないとか、これを大切に思ってるとかありますか。
リリス すぐに思い出せないくらい、たくさんありますね。嬉しかったエピソードは、先生が亡くなる数年前の会食で、いつものように可愛い服装で行ったら、ルネ先生が年を重ねていくとだんだん落ち着いた服装になってくるが、お前はいつまでもそういう可愛い服でしかもそれが似合っていて、原宿あたりを歩いていても不思議じゃないと思える、それがすごいんだからお前はそのままでいいんだ、と言われたのがすごく嬉しかったのを覚えています。
來夢 ジョリちゃんにとってルネ先生はどんな存在?
リリス 私が24歳のときに父が亡くなったんです。ルネ先生と出会った頃は、すでに父は亡くなっていて、「俺が父親みたいなもんだからな」といつも言ってくださってました。だから、研究所で先生に会うときは、いつもお父さんに会うような気持ちでした。ルネ先生の言葉は、全部お父さんから言ってもらうことのように感じていたのです。占いをこうして続けていられるのもルネ先生がいてくださったから。魔法の世界がすごく好きだったルネ先生から、「おまえは癒し系の魔術師になれるんじゃないか」と言ってくださったことがすごくうれしくて。ゆくゆく私は絶対そうなると思ったんですが、その前に先生が亡くなったのは心残りです。
來夢 私がルネ先生を知ったのは、「ルネの魔法の世界」というラジオ番組。ルネ先生はご自分のことを「魔法使い」とずっとおっしゃっていたしね。
リリス そうですね。もちろん占星術師としてのルネ先生もすごく尊敬しているのですが、やっぱり私は魔法の世界のルネ先生がすごく好きだったって。
來夢 ジョリちゃんのおっしゃる魔法の世界のルネ先生ってどんな先生なの?
リリス 瀕死のネコを何日か生き延びさせたという話を伺ったことがあり、そういうヒーリング能力をお持ちでした。魔法陣や、研究所に掲げてある黒いダブルクロイツなど、神秘的なことを語る先生も好きでした。研究所に許されるなら、魔術と占星術を組み合わせた鑑定をやってみたいですね。
來夢 魔術を継承する弟子はいないでしょう。しかも、お母さんが占いとオカルト好きで、お父さんが亡くなったら師匠と出会って。何か流れができているよね。それに、プロになって20年も過ぎて、実占もなさってますし。それで魔法使いというのは素敵じゃないですか。急にぽっと出で魔術と言われても説得力がありませんが、実体験を軸としているのだから。
リリス そうですかね。
來夢 私も、きずな出版の魔法学校の顧問をやってるんですけどね。癒しもひっくるめて、人が幸せになっていくお手伝いができる言葉の一つひとつが魔法。そういう意味の魔法使いは素敵だなと思います。
リリス ルネ先生は、「占いは自己実現をさせるため」とおっしゃっていました。魔術は、占いの結果がどうあれ、さまざまな儀式をやりながら、自分のいきたい方向に進めてあげることができます。だからもし望む人がいたら、魔術もやってあげたいと思ったりします。
來夢 心理学でも、イメージをすることで腑に落ちることがあるじゃないですか。頭でわかっていることを、儀式のステップを踏むことで腹落ちする人はいますよね。
リリス そうなんです。魔術はイメージトレーニングの一種なので、その辺もちょっと一緒にやってあげられると、その方の望む方向にいきやすくなることはあります。でも、さらに非科学的になっちゃいますね。
來夢 でも研究所にそういうお教室があってもいいんじゃないですか。これから水瓶座の時代がくるわけだし。得意とする占いの一つにしたらいかがですか。
リリス そうですよね。じゃあ、ちょっとやってみようかしら。
イベント占いで遭遇する困ったお客さんたち
記者 西洋占星術では何を重要視しますか。
リリス ホロスコープによって違うんですが、偏りがあるとわかりやすいですね。私がよく観るのはアセンダント。そして、特に目立っている星は、この人のキーになるとみなします。
記者 鑑定するときにやりにくいクライアントさんはいますか。
リリス 別に何かを占ってほしいわけでもないけど、興味本位で「私ってどうですかね」みたいな感じで来る人はすごくやりにくいです(笑)。
記者 テーマがない人?
リリス そうですね。イベントとかで、ただ座って「見てください」と言う人に、「何か悩みはありますか」といろいろ聞くのですが、「特にない」とか言われると結構困ります。悩んでいるとタロットカードに出ますが、特に悩みのない人は出るカードも散漫としています。すごく読みにくい結果が出ることは多いです。そういうことはないですか?
來夢 私は個人セッションが中心で、ただ「來夢さんに会いたかったから」というクライアントは少なくありません。でもそれだけだと意味がないので、私が勝手に課題を見つけだしてアドバイスすることは多い。だからいつものセッションで「何も悩みがない」と言われるのは困りませんが、タロットカードに対して「聞きたいことは何もない」と言われるのは確かに困りますね。そういうときはどう答える?
リリス カードを並べても、本当に散漫とした結果しか出ない。でも、「何もない」とは言えないので、全体運を見て、「何月にこういうことがあるかもしれないですね。ちょっと気をつけたほうがいいですよ」と伝えます。特に小学生の子どもは何もないですね。そういう時は、将来を星で見て、「こういう職業が向いてますね」と言います。
來夢 イベントでは、この人に見てもらいたいと思ってジョリちゃんのところに並ぶ人もいるかもしれないけど、別に悩みがないけど見てもらおうかという人もいるかもしれませんね。
記者 イベントと普通の鑑定とは違いますか。
リリス 全然違いますね。占いのお店に来る人は、ある程度目的を持って来るから。
來夢 確かに。時間内で鑑定をするのはすごく鍛錬になるよね。「銀座の母」というお店では、最短15分だもんね。それでもめてる人もいましたよ。15分でその人の悩みが解決しなければ意味がない。お金を払うのは先方でしょ?
リリス 確かにね。でも、延長制度はありませんでしたか。
來夢 あったよ。でも延長するとお金を払わなきゃならないでしょ。無料で延長するなら誰も文句を言わないと思うけどね。私の場合は、おかげさんで「15分で見てくれ」という人はなく、ほとんどリピーター。リピーターになると「1時間は観てほしい」と言います。だから、最初の1カ月は、ストップウォッチで15分を測って占っていました。それは勉強になりましたね。
リリス そうですよね。確かあそこの鑑定料は高かったですよね。さらにイベントだと5分ですからね。
來夢 そこで納得させられなきゃだめだからね。そこで占い師に向いてるか向いてないかがはっきりすると思うよ。
リリス あと、やたらに詳しい人が鑑定に来るのも大変じゃないですか。ホロスコープを出すと、「これはこういう意味ですよね」と、専門用語を言ってくる方。
來夢 すごいプロに言われたら、「私はそこを全然見ないから勉強になります。なるほどー」となるけど、知ったかぶりをして上から目線で言ってくるような人は嫌ですね。
リリス そうですね。
來夢 あと、印象に残っているのが、大手生命保険会社が、北海道から九州、沖縄までのトップセールスレディをねぎらうイベント。そこに占術協会から依頼された大御所先生や、研究所からの若手が派遣されたんです。居並ぶ占い師の前に、セールスレディーたちが行列を作るわけ。その一人に、「あなたはこのなかでも全くオーラが違うわ」と逆に占われてほめられたことがあります。その人にもっとちゃんと聞きたかったなと今も思います。
だって、師匠に頼まれて占いの店「銀座の母」で勉強中だった頃の、プロになって1年たつかたたないかくらいだったから。人を見る目を持っていなければ、億もの保険を売り上げることはできないでしょ。当時はぼーっと聞いてたけど、本当にもったいないことしたわ。それにしても、男女関係なく、仕事で成功する人は、占いを否定しても運は信じてる。だからこういうイベントが成立するのは、運に関して今どんな状態なのか、トップセールスレディーたちは聞いておきたいからじゃないのかな。
リリス 前向きでいいですね。
來夢 でも、ジョリちゃんはいつもイベントを楽しんでるイメージがあったな。ティアラとかつけてさ。
リリス それは、先輩にいただいたものです。確かに、イベントのときはドレスを着るのが楽しみでしたね。
來夢 よく似合ってましたよね。今日は久しぶりにジョリちゃんとお会いできてうれしかったです。研究所では、ルネ先生の魔法の世界を、ぜひ継承していただけたらと、私も応援しています。ますますのご活躍を。
リリス ありがとうございました。