ステラ・ボンボヤージュ(すてら・ぼんぼやーじゅ)
プロフィール
翻訳家を目指していたが、神秘世界、精神世界に魅せられて、1991年、ルネ・ヴァン・ダール研究所の研究生となる。
基礎科から師範科を修了し、1997年より、研究所特別研究生として勤務。
研究所では、主に天文心理学、西洋占星学、タロット占い、夢占いを研究中。
師匠ルネ・ヴァン・ダール・ワタナベより「星の光で人生の旅路を明るく照らす」という意味の「ステラ・ボンボヤージュ」の占名を受ける。
ポイントを押さえながら読む人を励ます”癒し系”メッセージが特徴。
エミール・シェラザード氏との共著『パンドラのタロット』(尖端出版発行・ワニブックス発売)、アイラ・アリス氏との共著『初めてのタロットカウンセリング 仕事・人間関係編』『初めてのタロットカウンセリング 恋愛編』(有限会社フリースペース)、がある。
『りぼん』集英社、『ニコ☆プチ』(新潮社)、『Beauty Friends』ゲオール化粧品に連載中。ウェブサイト「ドリームメール」(ユナイテッド株式会社)。
一般社団法人日本占術協会常任理事、一般社団法人日本占術協会認定占術士、日本時空心理学協会理事。
一般社団法人日本占術協会新人賞、奨励賞、功労賞を受賞。
主な占術方法:西洋占星術、タロット
目次
~Vol.18 笑って悩みを吹き飛ばせる占いを目指して その②~
安定して研究所で占いを提供し続けて
占いで人を笑わせたい!?
占いは「1+1=2」ではくくれない
夢と西洋占星術を絡めて独自の夢占いを実践
今こそ「運は乱にあり」を体現する時
ルネ先生なくしては今の自分はなかった
安定して研究所で占いを提供し続けて
來夢 基本は西洋占星学なんですか。
ステラ タロットもやりますが、西洋占星術が一番しっくりきますね。
來夢 今、連載しているのは西洋占星学ですか。
ステラ そうです、まさに『りぼん』や『ニコ☆プチ』といった小学生向けの占いの連載を担当しています。
來夢 講師もしているじゃないですか。それはOLさんが対象ですか?
ステラ どちらかというと主婦が多いですね。昼間にやっていますので。
來夢 それは「ステラ・ボンボヤージュのタロット講座」。
ステラ はい。
來夢 スタンスとしては何が中心ですか。
ステラ 雑誌の占いの執筆ですね。研究所では通信講座も昔からやっています。5〜6年前にタロット講座ができたので、通信講座の受講生の提出物の添削はさせていただいています。
來夢 通信講座も主婦の方が多いの?
ステラ 年齢まではわからないですね。
來夢 私には、ステラが研究所を代表して、日本占術協会を一生懸命お手伝いなさっているイメージがあります。ルネ先生が占術協会をとても大事になさってましたもんね。
ステラ そうですね。当時、研究所内に占術協会の事務局があったので、そのお手伝いをしていたことも関係しています。研究所に入ってすぐ占術協会のシンポジウムの手伝いに行きました。
來夢 人生山あり谷ありでしょうから、ずっと長く研究所にいてつながっている人というのはそういないものね。だからステラは安定しているんでしょう。
ステラ ただ、しぶといだけだと思います(笑)。
來夢 マイペースでタフなイメージがあります。だから私、ステラのイメージって、乙女座と言われれば乙女座なんだけど、牡牛座のイメージもある。
ステラ 牡牛座ですか。初めて言われました。
來夢 牡牛座、ホロスコープに何か持ってない?
ステラ 牡牛座に土星があります。
來夢 そうか。土星が表面に出てくることはないと思うけど。ステラは性分が丸いというか、とんがってないイメージがあるの。好戦的な人ではないでしょう。だから安定してずっと研究所にいらっしゃっるのかなと思ったりします。
ステラ そういう意味では確かにマイペースかもしれません。
占いで人を笑わせたい!?
來夢 今、研究所を通じて占いにまつわるさまざまなことなさっているわけですが、占いに関してどういうことに気をつけていらっしゃいますか。
ステラ 基本、私は占いを通じて、相手を笑わそうというスタンスでいます。
來夢 新しいね、その意見。星やタロットカードといったツールを使って、「笑顔にしよう」ではなく、「笑わせる」。
ステラ 笑わせる。そうすると一瞬でも悩みが吹き飛ぶじゃないですか。「気」ひいては「心」がゆるむ瞬間だと思うのです。
來夢 なるほどね。じゃあ、ステラ先生に観てもらうと、みんなおなかを抱えて笑ったりする。
ステラ 大体笑って悩みを忘れて帰っていかれると思います。
來夢 それすてきだね。「占いで笑顔にしたい」「笑顔にして帰したい」というのはよく聞くけど、「笑わせたい」は初めて聞いた気がする。いい意味で意外性もある。そういう気持ちになったきっかけがあるのかな。
ステラ 鑑定のときに、ゲラゲラ笑っていただけると、「今の言葉が受けたんだ」と、こちらもすごくうれしくなりますから。自己満足かもしれませんけど。でもそうすると、鑑定が終わったとき、お互い本当に笑顔で「さよなら」が言えるんです。
來夢 それは、相談者のホロスコープを見て、「この子はこの辺のツボで笑わそう」という感じ?
ステラ それも少しは入ります。「この人は絶対ジョークが通じないだろう」という人には控えたりすることもあります。
來夢 よっぽどジョークが通じない人以外は、臨機応変に、できる限り、あの手この手で大笑いさせて、「おつかれさん」にすると。
ステラ そうです。そこを目指してはいます。
來夢 いいですね。
ステラ あと今、毎日ブログを書いているんです。それもなるべく笑わせようとして書いています。「爆笑しました」みたいなコメントがたまにあると、ツボにはまってくれた人がいたと、すごくうれしいんです。(ブログ:「ステラのタロット☆おみくじ」https://ameblo.jp/stellabonvoyage/)
來夢 なるほどね。しゃべることも書くこともできる限り笑いを取ろうと。別にお笑い芸人を志したことなんて人生で一度もないでしょう?
ステラ 少し思ったことがあるんです。コンビになってくれる人がいなくて諦めました。
來夢 そういう素地はあったわけね。この『しあわせ星うらない』に出会った8歳のステラは、それからの人生でずっと、星は好きだったけれども、お笑い芸人もいいなと思ったときがあったということか。
ステラ それは常にあります。どうせなら、占いを通じて悩みを吹き飛ばすような笑いがいいなと思って。
來夢 ルネ・ヴァン・ダール研究所でタレント部門でも作ったらいいのかも。10年以上前だと思うけど、吉本興業さんが、売れない芸人に占いを教えて「占い芸人」にする話はよく聞いたからね。逆に研究所で、活躍中の占い師がお笑い芸人になるのもありか。一番笑わせやすいのはホロスコープなの? それともタロット?
ステラ タロットで笑わせるのはちょっと苦手なんですけど、ホロスコープは、アスペクトを見てると、惑星が擬人化して対話をしてるようなイメージが浮かんでくるんです。
來夢 何? 今のをもう少し説明してくれる?
ステラ 金星だったら女の子、土星だったらおじいちゃんというように、星のアスペクトによって、星同士が対話して、そこから笑いが浮かんでくるイメージですかね。
來夢 確かに、師匠がよくおっしゃってたじゃない? ホロスコープは一つの舞台だって。本当にそれが印象深くて。ホロスコープという舞台に、太陽から冥王星までの役者がいるという。そういうところもステラは純粋に受け継いで、さらに笑いにもっていくのがステラの武器になっているんでしょうね。だってステラファンはみんな笑いたいから相談に来るみたいなイメージでしょう?
ステラ そうですね。ブログを書いていていちばんうれしかったのが、「あなたの占いを読んで、占いが怖くなくなった」とコメントを書いてくれた人がいたこと。占いは怖い、おどろおどろしいという思い込みがあって、怖くて見ないという人もいっぱいいると思うんです。
來夢 あれは某先生が、テレビで「地獄に落ちるわよ」って言ったからじゃないの?
占いは「1+1=2」ではくくれない
來夢 私は年に一度しかタロット占いをやらないの。立春から二月だけの限定期間だけ、78枚のタロットを使って「傾向と対策」というのをやってるんだけど、その時は、出たカードを私なりにちゃんと説明して、あとからそのキーワードだけをいくつかセレクトして原稿にして、取説を送ったりもしてる。今はネットで検索するといくらでも調べられるでしょ。そうすると、とてもおどろおどろしい言葉で説明しているものもあって。それが呪縛になったら良くないから、「そうじゃないよ」って。クライアントさんの思い込みをひっくり返すのに苦労するもんね。
ステラ そうなんですよね。タロットを全く知らない人でも、「塔」や「悪魔」の絵柄は何となく怖さを感じるじゃないですか。
來夢 だから、私はそういう恐怖を与える絵柄は選ばないようにしてる。いろんなタロットがあるけど、私が好きな抽象的な絵柄は色目が暗かったりするから、それは選ばないようにしてる。みんな占いの結果をネット検索して怖がっているけど、占いって「1+1=2」の答えじゃないじゃないですか。
ステラ そうなんです。それで思い出したのは、どこかの区役所でやった無料鑑定。
來夢 研究所もいろんなことなさって……。
ステラ (笑)。お祭りか何かだったと思うんですけど、そういう時は家族連れもいらっしゃるじゃないですか。まさに『しあわせ星占い』を読むような5、6歳の女の子が来たんです。お遊び程度でタロットを引いてあげたら、塔だか悪魔だかが出て。それを見ただけで女の子は泣き出してしまったんです。子どもの感受性には厳しかったんだと思って。そういうときは、もっとかわいいカードを持ち歩かなくちゃいけないと、勉強になりました。
來夢 そうだね。笑いを取りたいあなただから、カードは選んだほうがいいわ。今は、かわいくて平和的なカードはいくらでもあるから。自分で作ってもいいし。
ステラ クマのカードとかウサギのカードとか。
來夢 そうそう。そうじゃないと「死神」とか「悪魔」とかとてもおっかない。何のタロットだったか忘れたけど、「吊るし人」なんか本当に首つり自殺みたいな絵柄だったから。
ステラ 子どものときに見たら脳裏に焼きついて、トラウマになりますよね。「占いは怖い」って。その点は気をつけなくちゃいけないと思っています。
夢と西洋占星術を絡めて独自の夢占いを実践
來夢 夢占いもやってらっしゃるの?
ステラ 独学ですが、ずっと夢は興味のあるテーマです。小学生の時、マドモアゼル愛先生などの夢判断辞典がいろいろ出ていました。当時から、朝起きるとまず夢判断辞典をチェックするのが習慣だったんです。
來夢 それって大事よね。自己実践みたいな話だからね。でもよく朝起きて夢を覚えてるよね。
ステラ その頃は覚えていたんですね。そうすると夢のパターンが自分なりにつかめてくるんです。「この夢を見たらこの日はこうなる」というのは、星占いどころではなく、確実に100%そうなるんです。夢ってすごいと思いました。そういうデータを蓄積していったんですね。
來夢 ステラの夢占いの本でも出せばいいのに。
ステラ そうですね。ルネ先生が夢占いの本を出されるとき、少しお手伝いさせていただきました。
來夢 夢占いを意識し始めたのはいくつのときかな?
ステラ 小学校高学年でしたかね。夢占いは現在も研究中なんです。夢占いと西洋占星術の融合です。たとえば月が獅子座にいるときは、獅子座の象徴が夢にシンボルとして現れるとか。
來夢 月のサインと自分の夢のリンクをチェックしたりしてるんだ。
ステラ そうです。その日の星の配置を自分のホロスコープと絡めたりとか。
來夢 じゃあ、単純な言い方だけど、蟹座に月があるときは家庭的な夢を見たりとか。
ステラ そういうことです。ホロスコープ分析をちがう視点から楽しめます。
來夢 面白いよね。確かに、占いのクライアントさんから、夢のことを聞かれることもありますね。「こういう夢をよく見るんですけどどういう意味でしょう」とか。
ステラ 夢を気にしている方は多いですよね。
來夢 起きると覚えてないという人も多いですけど。
ステラ 大体そのパターンですよね。
來夢 私は、一期一会の気持ちでセッションに臨んで、後に残さないようにしているんですけど、たまに、その日全てのセッションが終わっても、「あれってどうなのかな……」と疑問が残るときがあるわけ。そういうときは、寝る前にその疑問を思い浮かべて、夢で答えをもらうようにして寝るの。そうすると夢で回答が得られることはあります。ここ10年はそれほどやってはいないけど、夢から回答をもらうことがマイブームだった時期がありました。
ステラ 夢のお告げですね。夢をコントロールできているのですごいです。
來夢 でも、起きてすぐに書き留めないと、回答があったはずなのに忘れたり、導き出せなかったりします。朝起きてから余裕がないとできないよね。
ステラ そうなんです。ちょっと寝返りすると忘れたりしますし。
記者 最近、ネットを見ていると、「夢日記をつけると精神がおかしくなる」という記事を見かけることがあります。夢との区別がつかなくなるそうなんですが。
來夢 自分の都合で妄想して夢を拡大解釈する人も多いと思うので、本当に夢か現実か、検証する時間をしっかり持つことは大事ですよね。それから、心療内科でお薬をいただいている人、風邪などで強い薬を飲んでいる人は、夢と現実の境界線が曖昧になる可能性はありそうだよね。「夢=危険」という一方的な言い方になりがちではあります。
記者 生前ルネ先生がよく夢日記をすすめられていましたよね。夢日記をつけると夢をコントロールできるようになるとおっしゃっていました。
ステラ まさにそうです。ルネ先生は夢日記を非常にすすめておられました。夢日記をつけないときは全然覚えてないというか、見ないんですけど、夢日記をつけ始めると、不思議と毎晩夢を見るようになるんですよね。しかも鮮明に、カラーではっきり覚えている。だから、夢を意識するようになると、「夢の主」のほうがうれしくなって、より鮮やかに見せてくれるのかなと思ったりします。意識してもらうことで夢を見させる創造主側が喜ぶというか。
今こそ「運は乱にあり」を体現する時
記者 鑑定するときに気をつけていることはありますか。
ステラ 相手を落ち込ませるようなことは決して言わないということです。
記者 今までの鑑定の中で、困ったクライアントさんはいらっしゃいますか。
ステラ ご自身が自立できてないというのでしょうか、依存性が高いと占いに頼りがちですし、何度も同じことを言うようになってしまいます。論点がずれていきがちですね。
記者 そういう場合、どうなさいますか。
ステラ 自立心を促すようなアドバイスをします。依存させないように本人の長所を伝えて自信を持たせる。
來夢 ステラは自己分析から占いが好きになったけれど、占いにはまるほど、日々の運気の吉凶に依存してしまうのを自覚し、占いを自粛した半年間があったわけでしょう。その経験が生きているのではないかしら。
ステラ そうですね。日本占術協会の前会長だった浅野八郎先生がいつもおっしゃっていたのは、「運は日にあらず、人なり」。日々の運気は関係なく、結局人の心の持ちようなんだと気づいてからは、吉凶は気にならなくなりました。
來夢 おっしゃるとおりです。逆に言えば、占いでどんなにいいことを言われても、本人が行動しないことにはどうにもならないのと同じだから。
ステラ そうなんです。だから、悪い運気でも気にしなくなりました。結局、運は自分次第なんだからと。
來夢 だとしたら、師匠のルネ先生から言われた「あの一言」というのはないの?
ステラ 「運は乱にあり」ですね。混沌としているときこそチャンスがあるということ。いつもおっしゃっていました。
來夢 ピンチはチャンスだし、チャンスはピンチだもんね。
記者 じゃあ、今は乱の時ですね、コロナ禍ですから。こういう時期、ステラ先生がアドバイスするとしたらどうなりますか。
ステラ 基本的に「私は絶対病気にならない」と自己暗示をかける。
來夢 自信を持つという意味でね。コロナをなめてかかるわけではなくてね。
ステラ 意識からはずすということですね。毎日情報過多で麻痺していますが、逆に「コロナって何?」というくらい意識から完全に遮断してしまう。
記者 たとえば、職を失った人や、遠距離恋愛で恋人に会えなくなった人など、リアルに悩まれている人たちに、今どうお話ししますか。
ステラ カップルの人は今つらいと思うんですが、月並みですけど「自分の本気度が試されている」というか、相手をどれだけ好きかがわかるちょうどいい時期でもあります。
記者 オンラインで会うとかですか。
ステラ そういうのもありますど、リアルに会えないからこそ、逆に心と心のつながりを強く感じられますし、本当に会いたい人が誰なのか、浮き彫りになってくるのはありますね。
記者 ここ数ヶ月で、そういうご相談がきますか?
ステラ 私自身はコロナ関係のお悩みはあまり受けてはいません。研究所への鑑定の問い合わせは、コロナ関係が増えたみたいですが、そんなに内容は暗くないようですね。「お仕事はなくなったけれど、これを機に、こういうことをしてみたいんですけど」というような、たくましいご相談もあるようです。
來夢 新陳代謝ですからね。これをチャンスと思えないと。
ステラ 執筆上の注意では、運気に関して、コロナの時期はあまりレジャー関連の内容を書かないようにという要請はあります。「夏は海水浴に行ってね」というようなこと書きたい、でも海水浴場が閉鎖していたら行けない。だから、それはちょっと困るところでもあります。
來夢 本当だよね。海で泳ぐことが吉と言われても、「泳げないじゃん」という話になっちゃうね。バカンスの時期なのに、ラブ運なんて書くのが難しくなる。選択肢が狭まるよね。
ステラ ネタがかなり狭まって、書きにくくはなっています。
來夢 でも腕が鳴るね(笑)。そういうときこそ鍛錬だね。
ステラ そうですね、修業と思って頑張ります。
來夢 これからもっとやっていきたいことはありますか。
ステラ 方位学の勉強をもっと深められると、転居や旅行のご相談に対応しやすくなるかと。
來夢 東洋の占術はあんまりやってないんですか。
ステラ 占術協会の理事であった故・今村宇太子先生に教えていただいていた時期があります
來夢 ルネ・ヴァン・ダール研究所の中で、気学・数秘学の今村先生の勉強会をやっていましたよね。あの頃、今村先生は日刊スポーツで、いつも一面記事の競馬で当ててたじゃないですか。今村先生は、毎週の占いを担当していて、最終的に私一人がお手伝いすることになったんです。当時私は、少女漫画誌『なかよし』のかわいい犬が主役の「わんころべえの占い」の連載をしていたから、毎月わんころべえの気持ちにならないといけないのに、毎週、日刊スポーツのギャンブルの占いをやらなくてはいけなくて。競艇、競馬、競輪、オート、マージャン、パチンコなどの勉強をしてたよ。だから、JRAのウマにも詳しくなってた。ウマの生年月日を調べるんだけど、ウマは繁殖時期があるから12星座がそろわない。だから他の占いの勉強をしてたんです(笑)。そのおかげで東洋の占術は素地ができたと思います。西洋と東洋、両方大事と私は言い続けているんだけどね。ステラはあのとき、今村先生に習っただけで、その後は全然東洋はやってないんだ。
ステラ はい、興味はありますが……あとは独学ですね。
來夢 そうだよね。ルネ先生が西洋占星学をひと筋でなさっていたから。
ルネ先生なくしては今の自分はなかった
來夢 せっかくだから、もう少しルネ先生の話をしましょう。ステラが占いを学び始めた時、最初はマドモアゼル愛先生に教わったわけでしょう。そのあとルネ先生と会って、弟子入りを選んだわけですが、ルネ先生を選んだ理由は何だったの?
ステラ それはタイミングなんです。たまたまカルチャーセンターでルネ先生が講座を開催する時期で。
來夢 でも、マドモアゼル愛先生に弟子入りしてもよかったわけじゃない? でも、ルネ先生に「弟子になりたい」と伝えたのは、決め手があったから?
ステラ ルネ先生は、占いをファッション感覚でライフスタイルに取り入れた先駆者でもありましたので、決め手という点では軽やかさですね。
來夢 それまで占いの先生といえば、愛先生とルネ先生以外に会ったことがなかった?
ステラ なかったです。
來夢 じゃあ、本当に愛先生かルネ先生かという選択だった。
ステラ そうですね。
來夢 私も占いの先生なんて会ったことはなかったけど、当時、朝日カルチャーセンターでやってたのは気学や心理学。いくつか講座を見に行った中で、ルネ先生にハマったという感じだった。ルネ先生のおっしゃる内容から、もっとルネ先生のお話が聞きたいと思ったし、この先生はまさに芸能人だなと思ったよね。
ステラ そうした雰囲気は確かにありますよね。
來夢 私はルネ先生のラジオを聞いていたし、出演されるテレビも見ていたから。
ステラ メディアにたくさん出演されていましたからね。
來夢 そうそう。本当におしゃれだったし、芸能人オーラがあった。それが私にとっての決め手だったな。どんな人が自分の先生だといいかなと考えた時、かっこいい人だなと思ったから。ステラもそういうところがあるのかな。
ステラ そうですね。研究を極めたいなら愛先生がよかったかもしれないですが、その当時、愛先生ご自身もお弟子さんを取っていなかったような気がします。研究所では雑誌などを通して「研究生募集」といった間口が広かったということもあります。
記者 ステラ先生のご実家は、ルネ先生のお宅とご近所だったんですよね。
ステラ そうなんです。不思議なご縁なんですけど、ルネ先生と同じ町内に住んでいたんです。
來夢 新宿で?
ステラ そうです。隣の隣くらいに住んでいました。
來夢 だから、家から職場に出勤して、研究所に通って、家に帰るという生活だった。
ステラ 狭い圏内ですね。でも、子どもの頃は、近くにルネ先生の事務所があるなんて全然知らなかったんです。ルネ先生は「半纏を着て下駄を履いていた、ステラの小さい頃を見かけた。あの子がおまえだったのか」とおっしゃっていたのですが、そんな格好はしていなかったから、本当かなって。ちょっとお話が盛られていたかもしれない(笑)。ただ、近所でよくすれ違ってたとおっしゃってたのは本当だと思います。
來夢 きっと師匠のイメージなんじゃない? 半纏を着て、おかっぱ頭で、下駄を履いていた女の子。私も師匠から妃弥子さんの話をよく聞いたもん。「あの子はこんなに小さくて」とおっしゃってたけど、出会った頃は学生だったはずなのになって。だから師匠の中では、すごく小さかった女の子のイメージだったんじゃないかなと思う。だから私は「うんうん」って聞いてた。きっとステラも、幼い頃に下駄を履いて、半纏を着て、おかっぱ頭で新宿を走ってた子だったというイメージなんだろうね。
ステラ そういう不思議な縁ですね。
來夢 師匠に弟子入りしたくても、地方だと難しい子も当時たくさんいたと思うから。そして今年は師匠が亡くなって9年。9は気学で言えば一つの上がりで次の始まり。今思うステラにとってのルネ先生とは?
ステラ ルネ先生との出会いがないと、今の自分は本当にいません。それに私は占いしかできないんだなって思います。私はいつも占いの原稿を執筆しているので。そのきっかけを与えてくれたのがルネ先生。
來夢 だって前の職場は契約で、ちゃんと就職したのはルネ・ヴァン・ダール研究所が初でしょう。
ステラ そのとおりです。
來夢 今後、どういうことをやっていきたいとかありますか。
ステラ 研究所は昔からスクール事業にも力を入れているので、後進を育てていきたいですね。なかなか若い世代が来ないのですが。
來夢 ステラにお弟子さんとかいるの?
ステラ 生徒さんはいますが、そんなに年齢が変わらないですね。結局「マイビー」にハマってた同年代が多いので。
來夢 でも、今また占いが若い子にブームだよね。占いのテレビ番組があるって聞いたんだけど。「突然ですが占っていいですか」。
ステラ ですね。だから研究所も若い層を取り込みたい気持ちはあります。今はSNSなどで地道に情報を発信していくことかなと思っています。
來夢 これからも師匠の命を受けてご活躍くださいね。応援しております。
ステラ ありがとうございます。