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Vol.15 占いをコミュニケーション能力で押し上げる-その①

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高斎正明(こうさい・まさあき)

IMG_0608通信社勤務後、鷹石惠充(たかいし・しげみつ)〈占術家名 伊勢山天愛 (いせやま・てんめい)〉氏が創設したテレシスネットワーク(株)に転職。副社長のミス・ペルセフォネーに師事し、西洋占星術などをOJTで学ぶ。その後、セミナー会社に転職し、セミナー開催に携わる。その後、占い会社に転職し、対面鑑定をしながら、占いライターを育成するシステムを構築。その後、伊勢山天愛氏の別会社(株)ファルコビジョンに所属し、セミナー開催や占い師育成などディレクターとしてマルチに活躍。

主な占術方法 : 西洋占星術/タロット

 

目次

〜Vol.15 占いをコミュニケーション能力で押し上げる その①〜

・父の書く力と母の心がルーツに

・一本の間違い電話から占いの道へ

・「占いだけでは幸せになれないかも」という反発心が生まれて

・対面鑑定により「占いはコミュニケーション」と腑に落ちる

父の書く力と母の心がルーツに

shutterstock_535071976來夢さん(以下、來夢) 伊勢山天愛先生からのご紹介で高斎先生とお会いしたとき、お人柄がとてもすてきで、ぜひこの対談シリーズにご参加いただけたらと思いました。そもそも高斎先生と伊勢山先生はどんな出会いだったんですか?

高斎正明さん(以下、高斎) 1991年、24~25歳のとき、僕は通信社で新聞の編集をやっていたんです。記事を書いたり、校正をしたりしていました。

來夢 学校を卒業して、そのままそこに就職されたと?

高斎 大学は出ていないんです。
通信社というのは決められたことをきっちりやっていくところなので、それ以上発展しないと思いました。それで、自分で何かつくりたいという気持ちが芽生えてきたんです。ものをつくることがもともと好きだったんですね。
ある日、新聞広告に、テレシスネットワーク(以下、テレシス)という会社が、社員募集の記事を出していたんです。「マルチクリエイター募集」とありました。母がそれを見つけて「応募してみたら?」と。そのときは、占いをやっている会社とは知りませんでした。
そういう縁でテレシスに入社し、その社長が伊佐山天愛先生だったというわけです。

來夢 24~25歳の息子なんて、お母さんにしてみたらまだまだ子どもなんでしょうね。毎日決まりきった仕事が嫌だなと感じていたところを、お母さんがご理解なさっていたんですね。

高斎 母は、僕の人生に影響を与えていますね。
今になれば、母だけでなく、母方の家系の人たちも影響を与えているのかなと思います。
母方は武士の家系だったのですが、人殺しが嫌で、「もうやめた」と刀を捨てて、ずっと農業をやっていたそうです。たぶん鎌倉時代のことだと思います。お寺や神社も建てた家系だったので、お寺や神社は生まれた頃から深い縁がありました。
父は、父方の家系ではちょっと異色な存在ですが、作家なんです。

來夢 お父さんの書く力と、お母さんの心、両方から影響を受けた。高斎先生の優しさやたおやかさはお母さんの家系の流れなんだろうね。

一本の間違い電話から占いの道へ

shutterstock_1063009223高斎 ご縁があって入ったテレシスでは、最初は音響エンジニアをしていました。
当時ダイヤルQ2をつくっていまして。占い師が書いた原稿を声優さんに、何パターンも読んでもらうんです。その音声と音楽を重ねたり、音声を切り取ってデータ化したりという仕事をしていました。

來夢 私も90年代はダイヤルQ2で番組を持っていたの。ほとんどの雑誌に私の広告が入ってたもん。「來夢先生のアーティスト占い」とか、「來夢先生の血液型×12星座」とか。
ナレーターの人が、私が書いた原稿を読むんだよね。音楽を合わせてね。なるほど、そういうものをつくっていたわけだ。

高斎 どちらかというと技術系だったんです。それが、大きく変わるきっかけがありました。
その日、上司と先輩と僕と3人で徹夜作業をしていました。占い師の書いた原稿を僕がチェックして、先輩が録音の前段階まで加工するんです。そうしたら、夜中の2時ごろ、会社に間違い電話があったんです。女性誌の広告で見たんだと思うんですけど、テレクラと間違えて女の子が電話をかけてきたんです。テレシスとテレクラって似てるから。

來夢 91年ってまだ携帯電話を人々が使うようになる以前の時代だよね。確かにダイヤルQ2やツーショットダイヤル、そういうのが一番はやっていたときだ。
それで?

高斎 間違えてかけてきた女の子は、ちょっと寂しい女の子だったんです。エッチな会話とかを振ってくるんだけど、こっちは仕事中でそんな相手はできない。それでしばらくその子をなだめるように話していたんです。

來夢 残業中にね(笑)。

高斎 まだ原稿が上がってこないからいいかと。たぶん30分くらい話してたと思うんです。
そうしたら、占い師でもある上司が、「高斎くん、今の友達?」というから、「いや、テレクラと間違えてかけてきたみたいなんです」と。するとその上司が、「占い、やってみない?」と、そこで初めて声がかかったんです。

來夢 占い師の上司が、あなたの電話対応をとてもいいと思ったんだね、おそらく。

高斎 その占い師でもある上司こそ、ミス・ペルセフォネー先生なんですけどね。本人は覚えているかどうかわからないですが、僕にとっては、その間違い電話一本がかなり大きな転機になりました。

來夢 そうよね。それが25歳。そこから占いの勉強をすることにした?

高斎 そうです。ちょうどそのとき、ダイヤルQ2が終わりにさしかかっていて、iモードの時代が到来しようとしていました。そこで、iモード初の占いコンテンツをつくるということで、ゴーストライターを任されたわけです。それが勉強をしながらの初めての仕事でした。

來夢  最初はドコモの審査がとても厳しくて、ダイヤルQ2からiモードに移行できる業者とできない業者がいたと思うよ。私の番組をやっていた会社は、ダイヤルQ2の分野ではトップだったけど、iモードの進出はあきらめて、占いコンテンツを閉じました。
ちょっと話を戻しましょう。それで、そのときはiモードに向けて、占いの勉強をして、占いの文章を書いてたんだ。じゃあ向いてたんだね。だってそう簡単に占いの勉強をしたところで、占い原稿なんて書けないでしょう? テレシスは社長と副社長が占い師ですからね。

高斎 そうですね。占いは副社長であり師匠であるミス・ペルセフォネー先生から叩き込まれました。
まずは星座とハウス、惑星の意味や流れを教えてもらったんです。そして、太陽と月の動きで144パターン×3パターン、合計432パターンを書くという実践を通して、だんだんと占星術が体感できるようになったんだと思います。
それ以降も一部、先生のゴーストをやっていたんです。
ただ、先生はチェックが非常に厳しくて。占いに関することはもちろんですが、言葉の使い方もイイカゲンでは済まされない。
僕が一番覚えているのが、「他力本願な姿勢ではいけません」みたいなことを書いたら、「他力本願とは阿弥陀様に対して使う言葉。本来はありがたい力なんだから、占いに関わる人が他人任せという軽々しい意味で使うんじゃない」と怒られて、3時間くらい電話でお説教されました。

來夢 さすが元編集長だよね。

高斎 とても熱心な方なんです。そして、ある程度規則的に動く惑星は、星座という文字盤の上で動く、いわゆる巨大な時計みたいなものじゃないですか。そういったロジカルな惑星計算にも心惹かれましたね。
こうした惑星の動きに、運命がつながっている。そういうところに魅力を感じて現在に至ります。

來夢 面白いよね、普通だったら占いと結びつかないような思考状態が占いと結びつくみたいな。

高斎 占いを学ぶということは、お寺の修行と同じようなことだと、きっと先生が教えてくれたんでしょう。占いに対して身が引き締まった瞬間でもありました。
 その一方で、僕が先生のキーワード集や本を見ながら、占い原稿の執筆に行き詰まってたことがあるんですよ。そのときの先生の一言が、「占いってね、何を書いてもいいのよ」って。もちろん、額面通り「規則もなにも関係なく自由に書いていい」って意味じゃないのを僕が理解してるから言ってくれた言葉だけど、そのときのやり取りで、キーワードだけに縛られない占いの深さを知りましたね。視界が広がる一言でした。

「占いだけでは幸せになれないかも」という反発心が生まれて

shutterstock_1203119074高斎 ところが、占いを勉強していくにつれて、占いだけじゃ人は幸せにできないんじゃないかという反発が自分の中で起きて、1回テレシスから離れることにしたんです。28歳か29歳くらいのときです。

來夢 土星回帰のときじゃない? 確実にそうよ。
24~25歳でテレシスに入社してマルチクリエイターになったと思ったら、占いをアップする仕事に就く。そしてiモードという新システムに移行するにあたり、「あなた向いてるわよ」と上司にいってもらって占いのお勉強をし、ゴーストライターも経験して。
そしていよいよ、子どもから大人になる土星回帰の時期を迎えたときに、占いだけじゃ人間は幸せになれないと、占いの世界から飛び出したわけね。

高斎 そうなんです。そのときに出会ったのが、NLP(神経言語プログラミング)や心理学を使ってコミュニケーションセミナーやプレゼンテーションセミナーをやっていた人なんです。

來夢 ちょうど2000年前後はNLPが非常に流行ってたよね。「NLPってどう思いますか?」という相談をかなり受けたもん。私は勉強したことないけど、「來夢さんは天然NLPだ」とかよくいわれた。天然NLPといわれても、NLPの仕組みがよくわかってなかったから、「そういうものなんだ」と思ったけど。

高斎 先天的にできる人はいるんですよね。
そのセミナーをやっていた人との出会いがあって、その人が興した、コミュニケーションやプレゼンテーションを使ったマーケティングセミナーをやっているセミナー会社に入りました。さらにその会社に心理系の先生がいて、僕はセミナーの裏方をメインに担当していました。ところが、講師の著書がすごく売れるようになると同時に、だんだん社長とその先生がうまくいかなくなり、会社も解散となったわけです。

來夢 私のクライアントの女性も、そういう人の担当者になって、一生懸命本を出して、広告を打ったりとかしてた。でも本が売れると、著者がみるみるおかしくなって、「人間ってあんなに変わるものなんですね」っていってた。「すごくいい人だったのに」といういいかたをしてたよ。悪口をいう子じゃないから、本当にそうやって人格が変わるのを目の当たりに見てショックだったんだね。仕事も辞めて故郷に帰っちゃったんだけど。
どっちがいいとか悪いじゃないとかでなく様々なケースがあるのだろうけど、自分を戒めることができるのは自身しかいないわけで、売れるようになると一人だけの力でないのに、自信も過ぎれば過信ゴーマンとおかしくなっていったりするんでしょうね。

高斎 そういうわけで会社がなくなったので、僕はお金を稼ぐために、いろいろ占い会社を回って「原稿を書きます」という営業をしたんです。
そのときに、ある占い会社さんにお世話になっていたことがあって。そこで対面の実践占いを、1年ちょっとやっていたんです。
つぶれそうな飲み屋に間借りしていたのかな。小さいテーブルに椅子が二つあって、パーテーションがあるくらいの簡単なところなのですが。

來夢 占いカフェみたいなのは常にあるよね、いつの時代も。
フォーチュンカフェトリンとか、大泉の母とかも喫茶店だよね。お客さんはみんな朝一番に始発で行って、札を取って並んで。そんな時代じゃない? ある程度有名になってくると、喫茶店はどうでも良くなっちゃうのかもしれないけど。

高斎 そうですね。
その占いの会社は、占い原稿の仕事もやっていて、上司から「もっと早く原稿を書ける方法がないか」と相談されたんです。
当時、周りの占いライターがあまりにも遅いとか、出来が悪いとかいう相談を受けたので、だったらフォーマットをベースに原稿を作成していくやり方もありなんじゃないかと。それで、「上手な原稿の書き方」についてのテキストをつくりました。
これは階層の考え方で、一つのテーマを整理して12なら12に分割して、上から順番に書いていく。原稿の文字数も調整しやすい。階層の考え方でまとめてから、俯瞰して原稿を書き始めると、長さが調整できる。話の流れがわかるから、説得力が増すんです。
階層のいちばん上、運勢の良し悪しや方向性というのは、断定してほしいから、そこで「かもしれません」とか、あいまいな言葉は絶対に使わない、とかですね。

來夢 確かに、私の師匠ルネ・ヴァンダール・ワタナベ先生のところで、お弟子さんたちがみんな勉強のために、占いの原稿を書いていたのだけど、当時、手前味噌じゃないけど、原稿がそのまま本になったのは私だけだったもん。だから、その80文字なら80文字の中に、簡潔に占いのメッセージをどう入れられるかなんだよね。だから、おかげさまで、その癖がついちゃって、私は長文が本当に苦手になっちゃいましたけどね。ありがたいことに本のオファーをすごくいただくけど、全部後回しになってしまう。
でも、そんな「フォーマット」があったらすごく良いよね。

高斎 文字数合わせは大変ですよね。もしかしたら、若いころに新聞のテレビ欄などを編集していたノウハウがあるのかもしれないですけども。

來夢 だけど高斎先生は、結局マルチクリエイターじゃないですか。それに、1回でも、ちゃんと対面鑑定の実践を1年なり2年なりしたことは、やっぱり筋トレになっているんじゃないの?

高斎 なりましたね。それまで裏方というか、技術的な仕事ばかりでしたから、不特定多数の他人とかかわることは新鮮であり緊張の連続でした。

対面鑑定により「占いはコミュニケーション」と腑に落ちる

shutterstock_1306447114-2 來夢 対面鑑定は西洋占星学が中心?

高斎 まず西洋占星学で、基本は太陽星座、月星座を見ていましたね。それから、当時はタロットもやっていたんです。というのも、タロットのほうが受けがいいんですよ。

來夢 女の子はタロットが好きだからね。一人どれくらいの鑑定時間?

高斎 泣きが入るとけっこう長かったです、40分、50分。短いと20分くらいかな。

來夢 相手のニーズに合わせて、20分で気持ち良く「ありがとう」で終わる人と、40分から60分かかっちゃう人がいるんだね。

高斎 純粋に占術を使う時間はごく限られています。ほとんどの時間は、そこから派生したコミュニケーションだったんです。そこがうまくないとやっぱり相手は納得してくれない。それに、自分がイライラしていると、言葉遣いだとか、コミュニケーションのそういうところに表れちゃうじゃないですか。すると、もろに相手のリアクションに出てくるんです。
そこで、占いで大切なところはコミュニケーションなんだ、心理学なんだって思うようになりました。もちろん、統計学や学術的な説もありますけど、そのときの僕には心理学や会話術がとても必要だと思ったんです。

來夢 ルネ先生は天文心理学という言葉を使っていたくらいだったからね。だから、西洋占星学を使った心理カウンセリングだったんだよね。
大体歴史は占星学のほうが古いわけで、心理学のほうが新しいのだけれど、扱う人間によって鑑定が変わっちゃうからね。
心理学は、それ以上突っ込んじゃ駄目みたいな話じゃない? 心理学はマニュアル化されているけれど、占いってマニュアル化はされてない。

高斎 そこから、前職のコミュニケーションセミナーやプレゼンテーションセミナーのノウハウを引っ張り出してきて、占いと照らし合わせたんです。
占いで必須なスキルだけをまとめていくと、ある程度限られてくるんです。つまり、それさえクリアしていれば、占術的に稚拙であっても、お客さんを納得させられる。お客さんが笑顔になる。それが占い師の第一の仕事なんじゃないかとそこで気づいたんです。

來夢 そういうことに気がつく視点も面白いね。私はそんなふうに分析したことないもん(笑)。
でも、テキストもつくっちゃうわ、セミナーも企画しちゃうわ、占いのプロットをつくっちゃうわ、そして講師もしたわけでしょう? 本当に高斎先生はマルチだよね。
私の師匠のルネ先生のところでも、書ける人はしゃべれない、しゃべれる人は書けないという傾向はあったけどね。90文字なら90文字で端的に説得できる文章力のある占いの先生は、対面だと言葉が出ない。で、対面で、高斎先生がおっしゃるコミュニケーション能力がある人は書けない。だから、書いてしゃべっているから珍しいって、当時、私はいわれてました。

高斎 そうですか。來夢先生は頭の中にツリー形式で話したいことがあるんじゃないかな。ビジュアルで見えてる。それがベースにあるから、言葉で話すのも、文章を書くのも、それは単なる出口の違いであって、根幹がしっかりしているんだと思うんです。
大きなテーマの中に、小さい詳細があって、さらに詳細になって、ツリー状に並んでいるというのが、頭の中にできているんだと思うんです。

來夢 高斎先生にそういわれると、そうかもしれないと思えてきた。

高斎 それが体感できる人や、先天的にできる人というのはいるんです。
僕はまず座学で勉強をして、納得するまで反芻しないと、それが頭の中に入ってこないタイプ。
占いを志す人で最初からできているのは、ごく稀だと思います。
だけど、そのノウハウさえ叩き込んでおけば、その人自身で勝手に成長してくれる。そのマニュアルをつくりたいなと思っていたので、いい機会になりました。

話を戻すと、その占い会社ともなかなかうまくいかなくて、それでテレシスの社長である伊佐山天愛先生のところに行って、「助けてください。なんか仕事ありませんか。こういうこともやってきました、こういうこともできます」と直談判したんです。それで、フリーランスの立場で原稿のお仕事をいただいて、編集するなどしていました。

來夢 『ロード・オブ・ザ・リング』みたいだね。「これだけ僕は力をつけて帰ってきました」って。それがいくつ? 

高斎 36歳あたりかな。

來夢 子どもから大人になる土星回帰に旅立ちをし、そして、体力や技術を身に着ける、能力を磨き、成長して帰還したんですね、「ただいま」って。
師匠である副社長も「おかえり」と言ってくれたの?

高斎 そのときにはわりと快く。

來夢 優しいね、社長も副社長も。良かったね、いいご縁があって。

高斎 そうですね。本当にこの占いに出会えたからこそ、そして、占い以外のことも見られたからこそ、新たな方向性として、コミュニケーション力を充実させたいというところにつながったと思います。

 ※Vol.15 占いをコミュニケーション能力で押し上げる-その② に続く

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